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2013年12月05日

中国の閩南師範大学海外教育学院との国際交流姉妹校協定締結


11月14日、奈良佐保短期大学は中国の閩南師範大学海外教育学院と、国際交流姉妹校協定を締結しました。調印式に出席するために11月14日、同大学を訪問しました。
閩南師範大学は福建省の南部に位置する九龍江に開けた温暖な気候の漳州にあります。学生数約20,000人で、図書館や博物館、体育館、広大なグランドやプール、さらに教職員の子どものための幼稚園、学生等の学内移動に供するオープン型バス、教職員や学生の寮など、すばらしい施設・設備を兼ね備えた大きな総合大学です。最初は小さな師範大学から始まり、今では福建省における上級の大学として位置付けられているとのことです。

調印式は閩南師範大学の副学長を始め、主だった先生方の同席の下に、海外教育学院長と奈良佐保短期大学長が出席し、挙行されました。本学からは学長のほか、佐保会学園理事長、総務課長が出席しました。閩南師範大学にとって本学との交流協定が日本の大学との初めての交流協定であることもあり、地元の新聞社が取材にきており、本協定に対する関心の高さを実感いたしました。

調印式に先立って両大学が期待すること等について話し合いがありましたが、とても和やかな雰囲気でした。大学内では日本語学科の先生方や学生たちと話す機会がありました。すばらしい日本語を話される日本語学科の先生が、来日経験がなく日本を訪問するのが夢であると語られたのがとても印象的でした。また、日本語学科の学生たちの素朴さや、本学の大学案内を食い入るように見つめて私の説明に熱心に耳を傾ける姿に感動しました。

その後、大学の位置する地域についての理解を深めるためにと、漳州市内にある明清古街や世界遺産に登録されている華安にある土楼を案内していただきました。古街は明清時代の古い商店街で、昔の町並みがよく保存されており、店の軒先に並べられた太くて長いさとうきびには、私自身昔なつかしいものを感じました。山岳地帯にある土楼は現在も客家の人々が住んでいる生きた世界遺産として登録されています。戦乱と移住の歴史の中で、この地域に定住の地を得た客家人が、一族が助け合いながら生活するために必要な様々な工夫をこらし、厚い土塀で囲まれた土楼と呼ばれる集合住宅を建て、今も住み続けられています。土楼群の中で最大規模である二宣楼は、アメリカの衛星がこの一帯を撮影した際に、ミサイル基地ではないかとの疑いからその存在が判明したとも言われているそうで、地元の人は、アメリカのお蔭で、自分たちの存在が世に知られるようになったと感謝しているとも話されていました。案内役を買って出た25代目の当主に当たるという若い女性の説明から、彼女が先祖に対する熱い尊敬の念と一族の誇りを強く持っていることが伝わってまいりました。茶の生産を主たる産業として、バナナ畑もあり、手工芸などにより生計を立てているとのことでした。

古いものを大切に守り、新しいことにも積極的に挑戦する閩南師範大学と本学とは、共通するものがあります。閩南師範大学との交流が、本学の国際化の一助になることを期待したいと思います。