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こども教育コース

地域こども学科


先輩の声

中井智恵さん

2019年卒業 公立小学校教諭

小学校教諭を目指したきっかけは何ですか?

 2つのきっかけがあります。
 1つ目は、私が小学校の学校事務職員として勤務していた時の子どもたちとの出会いです。
 その子どもたちは、何らかの特性をもち、生きづらさを感じている子どもたちでした。私は学校事務職員として、また一人の大人として子どもたちに関わらせていただきましたが、教員免許をもっていない私ができることには限界があることを知りました。どれだけ丁寧に関わっても、最後まで関わることができないことに次第にもどかしさを感じるようになりました。そのような経験から、学級、学校が誰にとっても安心できる、そんな「居場所」をつくることができる教員になりたいと思ったことが1つ目のきっかけです。
 2つ目は、自らの経験を生かせる仕事がしたいと思ったことがきっかけです。
 私は、長年ソフトボールをプレーしてきました。様々な経験を通して多くのことを学びました。その経験を教育に活かしたいと思いました。
 そのようなきっかけから、人と人を結ぶ教員になりたいと思い、教員を目指すことを決意しました。

今の仕事のやりがいは何ですか?

 子どもたちに「このように育ってほしい」という願いをもち、私のこれまでの経験を生かし、関わっていけることです。
 学級には、個性豊かな子どもたちがいます。そんな中で、どう人と関わるか、どう生きていくか、そんなことを私は毎年子どもたちに投げかけています。そこで必ず伝えるのは、学校は社会の縮図であるということです。学級には30人ほどの友達がいますが、みんな違う考えをもっていて、それぞれ得意不得意があります。多様性があることを知り、「そういう人もいるんだ」と受容し、折り合いをつけることができる、そのような価値観を子どもたちの中に育てていきたいと考えています。
 生きづらさを多く感じるこの社会の中で、子どもたちには、力強く、粘り強く生き抜く力をつけてほしいと日々願っています。価値観が育つ児童期だからこそ、様々な人と出会い、成功と失敗という多くの経験を糧に、「生きる力」を身につけてほしいと強く願っています。そして、日々成長する子どもたちを支援することで、子どもたちの未来に関われることがこの仕事のやりがいだと私は感じています。

仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

 人とのつながりです。この仕事は、様々な人とのつながりがとても大切な仕事だと感じています。特に子どもたちには、丁寧に関わり、子ども理解を心がけています。子どもたちにとって、学校の中で一番身近な大人は担任です。困っているときに頼ることができる、悩みを相談したいと思える、そんな一人の人間でありたいと思っています。そして、毎日どんな些細なことでも一人一言は言葉を交わせるよう心がけています。そんな日々の積み重ねで一人一人とつながっていけると考えています。
 次に、自分自身のプライベートの時間を大切にすることです。この仕事は多忙です。なかなか自分の時間をつくれませんが、だからこそ、自分の時間を大切に過ごしたいと思っています。充実した時間があるからこそ、人間味あふれる教師になれると考えます。そして、そんな経験こそが、子どもたちに伝える言葉に、より意味をもたせられるのではないかと考えています。心豊かな教員でいられるよう、心がけています。

奈良佐保短期大学での経験は、どのように活かされていますか?

 私が所属していたこども教育コースでは、小学校教諭免許に加えて幼稚園教諭免許等の資格・免許取得を目指し、学びました。乳幼児期からの子どもの発達や、幼児教育において大切なことなどの学びを小学校で生かすことができます。
 私は今年(2021年度取材当時)、小学校1年生の担任をしていますが、心がけていることは短期大学で学んだ「環境設定」と「学びと成長の保障」です。
環境設定では、子どもたちが安心して活動に取り組めるよう心がけています。例えば、子どもたちの学習環境を整えるため、教室内にあいうえおの50音表を貼っています。平仮名を書くことが苦手な子どもはそれを見ながら書くことができます。また、子どもたちの学習ワークシートを掲示し、個々の学びをすぐにフィードバックし、共有することも行っています。このような学習環境を作ることを意識したのは、短期大学での学びが基にあります。
 次に、今年学びとして大切にしているのは、生活科です。スタートカリキュラムとして、幼少接続において生活科がとても大きな役割を果たすと考えています。あさがおの学習で大切にしたのは、「幼児期は遊びから学ぶ」ということです。遊びと同じようなワクワクした気持ちから学びを生み出せるように、子どもたちの願いを大切にし、「あさがおはかせになる!」というゴールを設定し、子どもたちがあさがおを大切に育て、あさがおの成長を見つけることを主体的に取り組めるよう支援しました。すると、子どもたちからの様々な気付きから学びが生まれ、子どもたちの可能性は無限大だと感じました。このような子どもたちの成長を支援できたのは、短期大学において、乳幼児期からの子どもの発達について学べたことがとても重要だったと考えます。

高校生のみなさんへのメッセージをお願いします。

 短期大学は、2年間しかありません。本当に忙しいです。余裕がなくなることもあるかもしれませんが、しっかりと学べるのはこの2年間です。自らの夢をもったときの思いを忘れずに、とにかく貪欲に学んでほしいと思います。社会に出たときに、短期大学の学びをいかせるかどうかは自分次第です。私自身、物理的なものでは、短期大学の授業内で自作した絵本を毎年子どもたちに読み聞かせています。「言葉を通した人とのつながり」をテーマに作成した絵本だったので、道徳教育として活用していますが、やはり自作というだけあって、子どもたちはとても興味をもってくれます。つまり、2年間という時間をどう使い、その学びを現場でどう生かすかは自分次第ということです。社会人になれば、学びたいことをじっくり学べる時間はなかなかつくれません。今、学ぶことができる環境を大切にし、力をつけてほしいと思います。