サホの人。

卒業生インタビュー Interview

卒業生vol.7「介護福祉士 六車美由紀さん 生活科学科 生活福祉専攻 2006年卒業」


現在、医療法人北寿会 介護老人保健施設 アップル学園前に勤務して2年。
この職場に決めたのは、実習に来てとてもスタッフ間の人間関係が良かったことと、家から近かったこと。

介護福祉士の仕事をしてみてどうですか?

1年目は業務を覚えるのに必死で、早くしなければアカンということと、利用者の声が聴けていないという焦りがいっぱいいっぱいで、それを一生懸命やっていた。でも一年過ぎてくると、だんだんまわりもみれるようになってきて、そしたら利用者の声が自然と聴けるし、まだまだ聴けてないですよぜんぜん、でも、1年目よりかは、はるかに聴けていると思う。
 業務の流れとかやっていることは1年目と代わりがないですが、2年目は気持ちがぜんぜん違いますね。
 2年目になって新人も入ってくる。そうすると、その新人の気持ちも分かるし、逆にこういうことしたらアカンなあ、改めなきゃいけないなという部分も出てきて2年目は濃かったですね。
 利用者の声が聴ける介護福祉士になりたい思っているけど、100%かなっていないかな。余裕があるときは聴けるんですけど、自分自身に余裕がないときがある。それはだめなことなんですけど、だめやなあと思うんですけど、余裕がないときは、申し訳ないんですけどね、「はいはい」と言ってしまう自分もいて、その葛藤ですね。

介護老人保健施設で働いていてやりがいを感じるときは?

利用者KさんのADL(日常生活動作)が上がったときは、あ~よかったなとすごく思った。
それと老人保健施設に来てよかったなと思ったことは、医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士、栄養士、みんないて、利用者についてのカンファレンスをするときは、その人たちが一緒に参加してやる。いろんな意見がある。
私は介護しかわからない。でも、理学療法士からみたKさん、言語聴覚士から見たKさん、栄養士からみたKさんというのを話し合って、その人をがんばって元気にしよう、ADLをあげようという気持ちがみんな一つになって、それがすごくいい。
現にKさんは、来たときは寝たきりだった。今はADLがあがって、車いすに座ってご飯食べている。自分でおにぎりもって食べれるようになった。すごくうれしい。
それも、私だけでじゃない。言語聴覚士がご飯はこのほうがいいんちゃうかとか、理学療法士が一緒に介助に入ってくれて、右手のほうがうごくんじゃないかといって一緒にやってくれた。そのときはすごくうれしかったですね。
いろんな職種がかかわってひとりの利用者のADLが向上したときはほんとに達成感ありますね。
 教えてくれる先輩とか、グループホームなどを経験されていた人の考えを聞いたら、すごく勉強になります。
こんな考え方があるんだと思う。私はここしか知らないから、違う職場から来た人の良いところの話を聞くととても勉強になる。
自分の周りの環境が良いといろいろ考えさせられる。就職してよかったと思う。職場の人間関係すごく好きなんです。 

仕事の苦労は?

苦労は声かけですね。声かけというか対応かな。利用者にこう言ったら怒るだろうなと思っていても自分に余裕がなくて怒らせてしまうことがある。自分では、その利用者にやることがわかっているじゃないですか、でも次に何をやるかという声かけがたまに抜けてしまうことがある。そのときに怒らせてしまうことがあって、アカンなと思ってしまう。
 先輩は常に笑顔ですごいなと思う。
 利用者への接し方は、私はマスターできていないですね。毎日勉強ですね。こういう人だからという決まった感じはないですね、自分の中に。利用者はいろんな面を持っていると思うので、この人はこれだけじゃないと思うし、いろんな顔があると思う。
利用者の固定観念みたいなものはないですね。

一日のスケジュールは?

日勤は、朝9時に朝礼がはじまって、昨日から夜間にかけての要観察者、たとえば衰弱されている方や骨折されている方などがいらっしゃるときには、その方たちの情報を共有したり、おられなかったらいませんといってすぐ終わるんです。その後、老人保健施設なので入所と退所された方がいて、3F,4Fともにあいさつに行きます。
その後、まあ色々あるんですけど シーツ交換に行ったり、10時水分補給に行ったり、それからトイレ介助とおむつ交換に入ります。それだけで昼まえになるので、そこからお昼の準備をして、休憩。昼からは入浴介助に入ります。
1日があっという間に過ぎて、足りないぐらいです。
満床で50人いるんですけど、全員と話せてないことがある。話せたらいいいけど、話せてない。かかわれていない人もいますね。
夜勤は16時から朝の10時まで。15時半ごろから出て準備を始めます。10時にあがれたら早いほうで、業務が残っていたりしたら11時ごろになることもあります。仮眠は2時間ですね。私はすぐに眠れるほうなので、でないと朝方きついんですよ。仮眠が取れないと、朝の食事介助とかも、おばあちゃんの口に入ってなくて、歯とかにあたって、申し訳ないことにもなる。介助しているときに、うとうととなるんで 寝ないとしんどいです。
4~5回の夜勤回数ですね。

介護福祉士を目指した理由は?

曾おばあちゃんが徳島の田舎ののどかな山奥に住んでいて、認知症があるけどすごく元気。めちゃめちゃ元気で、90何歳でも、2キロぐらいのところを手押し車で毎日行ったり来たりしてる。
その大好きなおばあちゃんが、ディサービスを利用するようになって、そこから介護というのがあるのを知った。そして、介護 福祉士というのがあるんだと知って行こうかなと思った。おじいちゃんおばあちゃんがすきだから。

学生時代はどうでしたか?

いま思ったら、のほほんとやってましたね。何も考えずにという感じですかね。実習もいって、課題もやっていたけど、今みたいに危機感とかはあまりなかったですね。頭では危ないとか分かっていたんですけど。介護は死と隣り合わせの仕事でもあるんですが、そのことを授業でも言われていたし、実習でも分かってはいたんですが、実際に働いてみて始めて分かった。死に直結している仕事、すごい危ないんだと。
学生時代は甘い考えだったなぁと色々思います。

奈良佐保短期大学を選んだ理由は?

近いからかな、家から。高校の先生の紹介や勧めもあったんで。
実を言うと、ほかにもう一つやりたいことがあったんです。でもそれは親に反対されて、ちょっとやけになっていた面もあったかな。音響のスタッフのような仕事です。一体感になってものを作り上げるのに憧れていて、達成感がすごいんやろなと思っていた。高校の文化祭で音響や照明をやらせてもらって、一丸となってやって、それが終わった後の達成感がすごく楽しくて、やってよかなという思いを感じて、憧れたんですけど、親からそんな不安定な職業はやめなさいとものすごく反対された。
 しごかれましたけど、奈良佐保に行ってよかったなあと思います。
学生時代の苦労は社会の苦労とは比べ物にならないですね。
介護の道を選んで良かったなと思う。おばあちゃんやおじいちゃんが大好きだし、チームワークで色々やって達成感もあるから。

これからやりたいことは?

もっと、でもいろんなところを見たいと思う。いっとき、介護だけでやっていかなければならないと勝手な考え方になっていて、そしたら切羽詰ってきてしんどくなってきたんですよ。そしたら、上の人Hさんから、「今、一生懸命なのは分かるけど、介護だけって思ったらしんどいで。もっとほかにもできることがある。」といってもらった。私の気持ちが楽になって、まだ若いし、いろんな事ができると思ったら、気持ちに余裕が出てきた。 

医療のこと看護についてもっと知りたいなという欲がちょっと出てきた。勉強してみたいと思ってきた。 
胃瘻とかされている方がいて、1年目のときは、「ああ胃瘻されているんだな」という認識でしかなった。でも、今は「なぜしているんだろう」とか、そういう方は痰があがってくるから「何で痰があがってくるのか」と解剖生理学みたいなことが気になる。気づいたら看護師から聞いたりしている。自分で知りたいんだなと最近思っていて、医療面などの学習を深めたい。知識が深まって、対応も変わるのかなと思う。