サホの人。

卒業生インタビュー Interview

卒業生vol.3「介護老人福祉施設 介護福祉士 野田利彦さん 生活科学科 生活福祉専攻 2003年卒業」

介護福祉士を目指したのはなぜですか?

祖母を在宅で介護できたら良いなと思ったことがきっかけです。最初は看護の道を目指していましたが、高校の担任の先生から、奈良佐保短期大学で介護福祉士の道を選ぶことをすすめられました。父が奈良佐保短期大学のことを知っていて、福祉の仕事はこれから発展していくだろうと、父からもこの道をすすめられて、入学を決めました。僕が入ったときは奈良佐保短期大学は男女共学化したばかりで、僕は1期生です。
大学を卒業する前に、親戚から、看護学校への進学を薦められましたが、自分の性格からいって介護福祉士のほうが向いていると考え、介護福祉士として就職することを選びました。介護福祉士になったことの後悔はないです。これからも福祉の世界でがんばっていこうと思っています。

今の仕事は?

就職後3年間は特別養護老人ホームで働いていましたが、2年前にディサービスに異動になりました。特別養護老人ホームでは夜勤がありましたが、今は、朝8時45分から5時45分までの勤務です。
ディサービスへの異動は、高齢者サービスについて総合的に勉強できるようにという施設側の配慮によるものです。ただ、以前から自分自身も在宅サービスについて興味があり、もっと勉強したいと思っていたので、異動してよかったと思っています。
今年の1月から、ディサービスのリーダー的な仕事をはじめていましたが、4月に正式にリーダーに昇格しました。今、とても大きな責任を感じています。

ディサービスでの仕事は、在宅生活を過ごしている利用者のことや高齢者サービスのシステムのことなど、勉強になることが多くあります。この仕事は身体的な負担はあまりありませんが、精神的に気を遣うところがたくさんあるので大変です。利用者の家族と直接かかわることになるので、家族の悩みを聴いたり、相談にも応じるのも仕事のひとつです。
職員は、僕を入れて8人です。以前はデイサービスを利用する人が1日30人を越えていましたが、4月からは減ると予想しています。というのは、認知症対応型のデイサービスを新たに併設し、そこに利用者が移る予定だからです。今までは要介護度が重い人も軽い人も一緒にディサービスに参加していたので、個々人に合わせた、きめ細かい対応が難しかったのですが、今後は利用者と一緒に、ゆったりとしたきめ細かい対応ができるかなと思っています。

リーダーとして感じることや悩みは?

「リーダー」という名前だけでなく、本当の「リーダー」になりたいと思っています。
僕の理想とする姿は、リーダーシップを発揮して、ほかの職員を引っ張って、職員からも頼られること。でも現実は、あまり頼りになっていないような気がします。今は、周りの職員から助けてもらって引っ張られている感じです。この状態は自分でも不満だし、「リーダーとしてもう一つだな、もっとがんばらなければ」と、常々思っています。
「いろんなリーダーがいて、いろんな指導方法があるから、自分のカラーを出していったらいい」とも言われますが、どうしても前のリーダーと比較してしまう自分がいます。前のリーダーは、テキパキと何でもすばやく対処していました。だからそれと比べたら僕はまだまだ、半分もできていない。でも今、僕があまりにもできないから、いろいろなところを周りが気づいてサポートしてやってくれて、職員の動きが良くなっています。ディサービスをうまく運営していかなければいけないという意識が、個々の職員に出てきています。職員との間で、阿吽(あうん)の呼吸というのが出来ていますね。

卒業して5年がたちましたね

5年間はものすごく早くて、もう5年という感じですね。
この5年で、周囲の人たちは「大きく成長した」と言ってくれるけど、自分自身はそんな実感はなく、大して変わっていないという気がします。こうなりたいという理想の姿があって、その目標に対して失敗ばかりしているからぜんぜん進んでいない感じです。

今苦労していること・楽しいことは?

優柔不断で、冷静に迅速な判断ができなくて途惑っているところが、苦労しているところかな。これは学生時代からずっと言われ続けていて、実習の指導者からもいわれていた。でも少しずつ経験を積みながら、たぶん少しは改善してるんじゃないかなと思います。
楽しいことは、施設で利用者と接すること。利用者の笑顔が見られることが一番楽しい。でも今はリーダーとして書類作成などしなければいけないことが多くなったので、利用者と接する時間が少なくなってしまいました。それがちょっと残念です。

仕事をする上で気をつけていることはありますか?

働く人が気持ちよく働いていないと、それが利用者にも影響します。
今まで体を壊したことはないけども、しんどいときもありました。最初は、ちょっと風邪を引いても熱があっても、無理をして働いていました。自分が休んだら職場がきつくなるし、他の人に負担がかかるからと思っていたからです。でもそのとき先輩に、「その考えはいけない。それでは利用者の健康や生活は守れない。」とアドバイスをもらいました。今は、風邪を引いたらしっかりと休み、万全に体調を整えて仕事を始めることを心がけています。

これから勉強したいことは?

今後もっと勉強しなければならないのは介護保険制度のこと。リーダーなので、家族から介護保険について質問されることが多いのです。勤めてから5年たったので、介護支援専門員(ケアマネジャー)の受験も、そろそろ考えなければと思っています。

奈良佐保短期大学の実習施設になっていますよね。
学生指導で感じることは?

リーダーになって、学生に直接指導することは時間的には難しい状況にはなりましたが、接遇や社会人としてのマナーなどを中心に指導しています。たとえ介護技術がよくできても利用者に対する態度がよくない学生に対しては、しっかり指導しなければならないと思っています。ディサービスの利用者から学生の態度について苦情を言われることもありますからね。
実習記録を見るだけで、その学生の実習の取り組みが分かります。自分の学生時代の実習記録もあまりよくなかったですけど、いま、学生の実習記録を見ると、自分の実習記録のことも思い出しますね。
最近は、実習をさせてもらっているという意識や態度がないの学生もいます。謙虚さがないのはよくないです。実習では出来ないなりに、分からないなりに職員に質問してくる学生もいるのですが、まったく質問も聴くこともしない学生もいます。本当にやる気があるのかと思ってしまう。
学生は謙虚さをもって、実習させていただいている気持ちをもって実習に取り組んでほしいですね。

後輩へメッセージをお願いします

後輩には、挨拶や言葉遣いに気を配ってほしいです。年々、実習生の言葉使いが悪くなっていくような感じがします。普段から言葉に気をつけて生活してほしいですね。
学生時代は、あっという間に過ぎました。本当に早かった。学生時代にもっと勉強しておけばよかったと、仕事を始めてから思ってます。仕事をしたら学生時代と違って遊ぶ時間も少なくなる。勉強と遊びを思いっきり充実させたキャンパスライフを送ってほしいと思います。