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プロフィール
教員紹介ページへ → 教員紹介|中田奈月
おおきなテーマ
「区別すること」「分類すること」について考えています。
私たちは誰かに出会ったとき、ふるまいや外見からその人を判断します。スカートをはいている人は女性、白衣を着て聴診器を持っている人は医師、といった具合に、です(E.Goffman,1961:2=1984:11)。もちろん「男性はスカートをはいてはならない」という法律があるわけではありません。ですが、スカートをはいている人を振り返ったら実は「男性」だったと分かった時、私たちは驚きや戸惑いを覚えるかもしれません。
たとえば私たちは保育士や幼稚園教諭など保育者に対して、女性、世話好き、元気な人、と想像するかもしれません。その枠組に当人が当てはまらないとき、私たちは驚きや戸惑いを覚えます。なぜ私たちは、驚きや戸惑いを覚えるのでしょうか。枠組と実際のそれとがそぐわないときに覚える、驚きやとまどい、居心地の悪さ。これを考えるのが私のテーマです。
具体的なテーマ
・性別職域分離、特に女性職への男性参入の研究(男性保育士・男性幼稚園教諭・男性看護士・男性海女など)
・家庭的・家族的なことに関する研究(ペット・保育ママ・ひとりっ子など)
・区別それ自体に関する研究(子ども・身長・国など)
・区別の方法に関する研究(メンバーシップ カテゴリー化装置・カテゴリー集合など)
研究業績
研究業績ページへ →教員紹介|中田奈月
ダウンロードできる論文・報告(PDFファイル)
(注:ダウンロードしたファイルと実際に掲載された原稿とでは、ページレイアウトが異なる場合があります。)
・中田奈月,2006「女性保育士における専門性と女性性――主観的キャリアの分析から」『奈良女子大学社会学論集』(12): 129-144.
・中田奈月・前迫ゆり・智原江美・石田慎二・高岡昌子・福田公教,2004,「奈良県保育所における男性保育士の実態と課題」『奈良佐保短期大学研究紀要』12:51-61.
・中田奈月,2004「『保育者』言説の変遷 : 厚生労働白書の分析から」『奈良佐保短期大学研究紀要』(11):17-29.
・中田奈月,2004「男性保育者による『保育者』定義のシークエンス」『家族社会学研究』日本家族社会学会:41-51.
・中田奈月,2003「女性保育者のライフコース」『奈良女子大学社会学論集』(10):103-125.
・中田奈月,2002「ライフコースとキャリアの再検討」『奈良女子大学社会学論集』(9):75-92.
・中田奈月,2001「男性保育者のライフコース--コーホート分析」『奈良女子大学社会学論集』(8):51-68.
・中田奈月,2000「男性保育者のライフコース--キャリアの実態を通して」『奈良女子大学社会学論集』(7) :67~78.
・中田奈月,1999「性別職域分離とその統合--男性保育従事者の事例から」『奈良女子大学社会学論集 』(6):285-296. |
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| 男性保育者の現状 |
私の研究テーマのひとつに、男性保育者の研究があります。
奈良佐保短期大学は保育士と幼稚園教諭を育てる男女共学の短期大学です。男子学生は全体の4割を占めます。近年、男女共学の4年制大学が男性保育士や男性幼稚園教諭を育て始めていますが、残念ながら男女共学の大学は全国的にみて少なく、たとえ男女共学であっても男子学生の比率が低いのが一般的です。
また、幼稚園教諭や保育士の資格をとった後も、その資格をいかした仕事に就けるか、就職した後も職業を続けられるかどうかが課題になります。詳しい話は現場で働いている方々にお任せして(現場で働いている方々からお伺いする話は興味深く示唆に富んでいて、いつも新しい発見があります)、統計資料から男性保育士・男性幼稚園教諭の今をご紹介しましょう。 |
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| 国勢調査でみる男性保育士と男性幼稚園教諭 |
国勢調査で保育士と幼稚園教諭の男女比をみると、幼稚園教諭のほうが男性の比率が高いことが分かります。
幼稚園教諭は保育士よりも、男性の管理職(園長や主任など)の比率が高いのが特徴です。
☆追記
2005年の国勢調査データを追加しました。2005年のデータによれば、これまで男性保育士よりも男性幼稚園教諭のほうが数が多かったのですが、2005年はそれが逆転。男性保育士のほうが男性幼稚園教諭よりも多くなりました。
職業全体のうち男性の占める比率についてみると、男性保育士が著しい上昇を示すのに対して、男性幼稚園教諭は1995年以降、変化は見られません。
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| 図1:男性保母・保育士の人数と男女比(国勢調査) |
図2:男性幼稚園教諭の人数と男女比(国勢調査) |
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| 男性保育士数と資格取得状況(社会福祉施設等調査報告より)(注1) |
保育士資格は、資格試験または養成校での単位取得により取得することが可能です。
2002年に男性保育士数が急激に増加しています。その要因として、児童福祉法施行令一部改正による、保母から保育士への名称変更、2001年の、児童福祉法一部改正による保育士名称独占資格法定化、立て続けに変更されたことによる注目度の高まり、ドラマ化等メディアの影響などが考えられるでしょう。
(注1:社会福祉施設等調査報告で男性保育士(男性の保母)数が掲載されているのは1976年から2002年までであり、それ以降のデータは存在しない。そのため現在の男性保育士の実数は不明である。) |
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図3:男性保育士数と資格取得状況 |
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| 地域別にみた男性保育士数(2002年 社会福祉施設等調査報告より) |
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保育士全体に占める男性の比率は、地域によって大きく異なります。男性保育士を採用したことがない自治体も多くあります。
★全国男性保育士総数トップ5
1位―東京 2位―大阪 3位―埼玉 4位―福岡 5位―兵庫
☆公営保育所勤務の男性保育士総数トップ5
1位―東京 2位―北海道 3位―埼玉 4位―長野 5位―愛知
☆民営保育所勤務の男性保育士総数トップ5
1位―東京 2位―大阪 3位―福岡 4位―兵庫 5位―埼玉
★保育士全体に占める男性の比率トップ5
1位―東京 2位―福岡 3位―広島 4位―沖縄 5位―岩手
☆公営保育所勤務の保育士全体に占める男性の比率トップ5
1位―群馬 2位―鳥取 3位―広島 4位―北海道 5位―岩手
☆民営保育所勤務の保育士全体に占める男性の比率トップ5
1位―東京 2位―宮城 3位―大阪 4位―福岡 5位―徳島
表:地域別にみた男性保育士の比率
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| 地域 |
男性/総数 |
| 全国 |
1.27% |
| 01北海道 |
1.53% |
| 02青森 |
1.08% |
| 03岩手 |
1.69% |
| 04宮城 |
1.59% |
| 05秋田 |
0.82% |
| 06山形 |
0.94% |
| 07福島 |
0.66% |
| 08茨城 |
0.74% |
| 09栃木 |
0.96% |
| 10群馬 |
1.36% |
| 11埼玉 |
1.2% |
| 12千葉 |
0.58% |
| 13東京 |
1.91% |
| 14神奈川 |
0.84% |
| 15新潟 |
0.89% |
| 16富山 |
0.94% |
| 17石川 |
0.8% |
| 18福井 |
0.48% |
| 19山梨 |
0.9% |
| 20長野 |
1.04% |
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| 地域 |
男性/総数 |
| 21岐阜 |
1.09% |
| 22静岡 |
1.19% |
| 23愛知 |
0.67% |
| 24三重 |
0.87% |
| 25滋賀 |
1.35% |
| 26京都 |
1.19% |
| 27大阪 |
1.33% |
| 28兵庫 |
1.35% |
| 29奈良 |
0.99% |
| 30和歌山 |
0.77% |
| 31鳥取 |
1.66% |
| 32島根 |
0.99% |
| 33岡山 |
1.46% |
| 34広島 |
1.77% |
| 35山口 |
1.26% |
| 36徳島 |
1.13% |
| 37香川 |
0.8% |
| 38愛媛 |
1.05% |
| 39高知 |
1.19% |
| 40福岡 |
1.87% |
| 41佐賀 |
1.2% |
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| 地域 |
男性/総数 |
| 42長崎 |
0.98% |
| 43熊本 |
0.75% |
| 44大分 |
0.94% |
| 45宮崎 |
1.23% |
| 46鹿児島 |
0.7% |
| 47沖縄 |
1.75% |
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| 51札幌市 |
1.41% |
| 52仙台市 |
2.28% |
| 53千葉市 |
0.91% |
| 54横浜市 |
1.62% |
| 55川崎市 |
1.48% |
| 56名古屋市 |
2.45% |
| 57京都市 |
2.41% |
| 58大阪市 |
1.97% |
| 59神戸市 |
1.33% |
| 60広島市 |
1.17% |
| 61北九州市 |
1.59% |
| 62福岡市 |
1.54% |
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| 保育士の世代と性別(社会福祉施設等調査報告より) |
保育士の年齢構成はどのようになっているのでしょうか。性別によって違いがあるでしょうか。
年齢構成と人数を、1991年と2001年とで比較しました。
(注2:社会福祉施設等調査報告の区分は1991年と2002年とで若干異なる。1991年は「24歳以下」の区分があるが、1991年は「24歳以下」の区分はない。)
年齢・性別・時代別の保育士構成
1991年をみると、若い世代が保育所を担っていることがわかります。10代から30代の保育士は、女性は8割弱、男性は9割弱です。
2001年になると、女性と男性とで構成比が異なってきます。女性は、29歳以下の世代は10年前と同様、4割を占めています。30歳代が減少し、40歳代が増加しています。
男性は女性に比して若年層が増えています。男性全体の70%が、29歳以下です。 |
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図4:年齢・性別・時代別の保育士構成 注2 |
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性別・年代別・時代別の保育士数
表をみると、女性保育士の数は10年前より26%増加していることが分かります。
世代と時代をあわせて、増減をみてみましょう。
1991年に20代だった女性保育士は、2001年(30代)になると65%減少、1991年に40代だった女性保育士は2001年(50代)は6割程度に減少するのに比して、1991年に30代だった女性保育士は2001年(40代)になっても95%を保っています。1991年の30歳代だった女性保育士数は、職業を継続する方が多いのかもしれません。 |
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図5:性別・年齢別・時代別の保育士数 - 女性 注2 |
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男性保育士の場合、2001年は1991年の2倍に増加しています。
ところが、その内訳をみると、圧倒的に増加したのは29歳以下。1991年に20代だった男性保育士は、2001年(30代)になると約6割に、1991年に30代だった男性保育士は2001年(40代)になると5割に、1991年に40代だった男性保育士は2001年(50代)は2割に減っています。
女性保育士に比べて、保育職を退職したり配置転換などで別の職務に就く男性保育士が多いのでしょうか。 |
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図6:性別・年代別・時代別の保育士数 - 男性 注2 |
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| 保育者としてのキャリア |
男性保育士や男性幼稚園教諭といった男性保育者の実態、お分かりいただけましたか?幼稚園教諭や保育士といった保育職は大変魅力的な職業ですが、資格をとった後どうやって仕事を続けるかがネックになるようです。これは男性にかぎらず、女性も同様です。
職業継続のネックになるのは何か。給与や待遇の問題、職場の問題、精神的体力的問題・・・理由は様々です。ですが、たとえ様々な事情で保育職を辞めざるを得なくなったとしても、再びこの仕事に従事したいと考える方が数多くいるように思います。それほど保育の仕事は魅力ある職業だといえるでしょう。保育職を継続することによるメリットは多くあります。
例えば、男女ともに結婚や出産、育児というプライベートな出来事が、保育士、幼稚園教諭としてのキャリアを高めることが、私の研究で明らかになっています(中田2003)。他の多くの職業とは異なり、結婚や出産は職業継続のデメリットにならないのです。もしこの魅力的な職業に従事しておられるなら、この道の先達として、保育士や幼稚園教諭をめざす後輩や職業継続を目指す方々を応援してくだされば幸いです。 |
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