2010年02月15日 月曜日
「食と栄養指導の将来 ―メデイケアフーズ展と栄養ケアステーション構想」
東京ビッグサイトで開催された「総合医療展・メデイケアフーズ展」において(写
真1)、日本栄養士会常務理事の迫和子氏による特別セミナー「病院・施設から在宅への移行―管理栄養士・栄養士の役割、目指すものー」の講演を聴きました。日本の高齢社会では、要介護(要支援)者のうちで、居宅療養者が増加傾向にあり、その7割が要介護2以下であると言うことです。介護施設を利用している高齢者については、栄養士、介護福祉士、看護師などによる援助が完備しているため問題はありませんが、在宅で療養している高齢者については、栄養問題を考慮する必要があります。高齢者の栄養問題は、低栄養が最も重要で、それは身体機能の低下、脱水症、褥瘡、摂食・嚥下障害、慢性便秘などにつながるというのです。要介護者は、病院・施設での収容能力を超え、今後ますます増加するであろう在宅介護において、日本栄養士会としてどのような対策が考えられるかという観点から、栄養ケアステーションの提案がされました。
その基本的考え方は、写真2に示されているように、日本栄養士会が中心となっ
て、各都道府県の栄養士会、医療・保健機関、民間機関等と連携・相互支援の関係をつくり、(1)人材育成・登録・紹介等、(2)研修、講習、セミナー等の企画・運営、(3)健康・栄養関連の情報提供と指導等をめざしています。対象は、高齢者はもちろん、子どもの健康教育から働き盛り年代の生活習慣病予防までを視野に入れた壮大な企画で、写真3が、その「事業領域」を示しています。また、日本栄養士会は、国が定めた「食事療法用宅配食品等栄養指針(平成21年4月1日食安全第0401001号)」に適合したものを認証する「食事療法用宅配・通販食品の認証制度」の構築を行なっているということでした。
講演の後、産官共同開発した技術を基にした介護食を展示しているブースを見て周りました。ハンバーグ、煮物、肉、野菜、すし、和菓子、などが展示されていて、試食もしましたが、最近の冷凍技術・解凍技術などの新しい機器の進歩により、無添加で大変おいしい介護食が開発されていることが分かりました。その技術を利用して、在宅高齢者に安全でおいしい食事が宅配できるように、上記の認証制度も考えられているのだと思います。
本学は、生活未来科で介護福祉士、栄養士の養成、地域子ども学科で保育士の養成を行っており、系列の社会福祉法人において、軽費老人ホームと保育園を経営しています。前日の環境ホルモン学会でのエコチル調査の問題ともあわせて、本学は、子どもから高齢者までの健康と食の問題を考えていくのに、最もふさわしい態勢が組める環境にあるわけです。今後大学と法人関係が力を合わせて、将来を見据えた課題に取組んで行く必要があると思っています。
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