2010年02月12日 金曜日
「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の背景にあるものー臨床の現場で何が起きているかー」
環境ホルモン学会第22回講演会が上記のタイトルで、江戸東京博物館で開催されま
した。エコチル調査というのは、「Eco & Child Study」の略で、環境省が平成22年度より大々的に開始する子どもの健康と環境に関する全国調査です。環境省の説明によると、中心仮説が「胎児期から小児期にかけての化学物質曝露が、子どもの健康に大きな影響を与えているのでないか?」というもので、全国で10万人を対象とした出生疫学調査です。来年度からの16年間の総事業費880億円が認められたということです。
基本にあるのは、先天奇形(尿道下裂、ダウン症など)、免疫系疾患(小児ぜん息など)、代謝・内分泌系異常(小児肥満など)、生殖異常(男児の出生率の低下など)、精神神経症発達障害の増加が認められ、これらが遺伝的、社会的、生活習慣的要因に加えて、化学物質曝露の影響もあるのではないかという仮説です。動物を対象とした生態学的、実験的研究において指摘されていることをヒトの疫学的調査により明らかにしていこうという研究です。これ
らは、本日の講演のタイトル「発達障害の多様性と遺伝・環境相互作用」、「小児期から始まる生活習慣病―実体と予後」、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の概要」、「本邦における先天異常の発生推移―男児外生殖器異常は増えているか?―」、「不妊・不育―特に生殖補助医療の現状―」、「環境変化と小児アレルギー疾患の増加に関する疫学的因果推論」に反映されています。このような研究が欧米や韓国などでも進んでおり、日本においても研究が開始されることになり、結果が一刻も早く出ることが待たれます。しかしながら、講演者や質問者が言及していたように、疾病などの基準、対象となる集団・人数、追跡期間等を含め、疫学的に因果関係を特定することの困難さに加え、個人情報の保護など多くの問題を含んでいます。一方、日本における公害病として知られる、水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜん息など化学物質による汚染が原因で起こった病気があることも事実です。多くの難しい問題を克服しつつ、子ども達の未来のために研究が進展することが望まれます。
本学は、
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