2009年05月19日 火曜日
「奈良女子大学創立100周年記念式典と奈良佐保短期大学」
奈良女子大学の創立100周年記念式典が5月16日奈良ホテルで行われ、出席しました。明治41年、奈良女子高等師範学校は、日本で二番目の国立(当時は官立)の女子高等教育機関として設立されました。当時、女性はほんとんどの帝国(国立)大学に進学することができなかったので、東京女子高等師範学校(現・御茶ノ水女子大学)と並んで、実質的に女性の最高学府だったのです。
式典は、同大学音楽部の女声コーラスによる「校歌」で始まりました(写真1)。その歌詞は、大正天皇のお后である貞明皇后が詠まれた詞によるもので、「みなもと清き佐保川の」という言葉も出てくる優雅な歌です。本学の名の由来でもある「佐保」の地名を、現在の日本では知る人も少なく、この歌の床しさがどれほどに理解してもらえるでしょうか。
式典の列席者は、女子大関係者と卒業生をはじめとし、地元奈良からは自治体、教育、大学、財界、報道関係者はもとより、東京から内閣府、文部科学省、国会議員、お茶ノ水大学、近府県の大学関係者、海外からは中国や韓国の大学など、総勢200名余が参列し、さすが歴史と伝統を感じさせられる盛観なものでした。この4月に就任されたばかりの野口誠之学長は挨拶の言葉で、日本における女子高等教育の伝統を強調されました(写真2)。祝賀会では、日本酒「奈良の八重桜」が振舞われ、このお酒は奈良女子大学、奈良県、地元の今西酒造が協力して、県花「ナラノヤエザクラ」の花びらから分離・培養した酵母を使った清酒です。馥郁とした桜の香りをもつフルーテイーでワインのような味わいでした。
写真1 写真2
さて奈良佐保短期大学は、この奈良女子高等師範学校の同窓会「佐保会」の有志により、昭和6年(1931年)佐保女学院として設立されたのです。当時の奈良女子高等師範学校の卒業生たちは、日本をリードするエリートの女性たちであり、後進の女子教育に対する情熱には並々ならぬものがあったと思われ、創立当時の佐保女学院には最高の教育内容が盛り込まれています。太平洋戦争後の学制改革を機に、奈良佐保女学院短期大学となり、そののち、社会と時代の変化に対応して、平成13年奈良佐保短期大学は、女子教育から男女共学への道に進んできたことは、建学の目的からすれば画期的なことでもあります。創立当時は家政系教育が中心でしたが、やがて初等・中等教育教員養成へ、そしていま、保育士、幼稚園教諭、介護福祉士、栄養士などの養成機関として福祉系の色を濃くし、さらに今年度からはビジネスキャリアーコースを設置して企業・産業界への関わりを結ぼうとし、やがてアジアへ世界へと展望は拡がっていきます。思えば本学の80年の歴史は、日本の社会と女子教育の変遷を鮮明に描きだしているのです。本学は奈良女子高等師範学校の秀でた女性たちの建学の意気を継承し、これからの日本社会の発展に貢献寄与できる人材を輩出すべく頑張らねば、との思いを強くした一日でした。
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