2008年08月29日 金曜日
「菜の花プロジェクト」
8月26日に、「元気城下町 菜の花プロジェクト」実行委員会がありました。今や、菜の花プロジェクトは全国的に広がっていて、奈良県においては、「元気城下町 菜の花プロジェクト」の他にも「菜の花・バイオマスプロジェクト奈良」など、いくつかのプロジェクトが進んでいます。「元気城下町 菜の花プロジェクト」は、大和郡山市が中心となって、奈良佐保短期大学や奈良高専、地元企業、銀行、コープ、社会福祉法人、自治会等々10団体が参加する産学官民がひとつになったプロジェクトです。休耕田を利用して菜の花畑の景観を出現し、種から油を絞って食用に供し、廃油を燃料として活用するという資源循環型社会の実現に取組むこと、同時に、観光や農業、商工業の振興を促し産業全般の活性化を図ることを目的としています。昨秋、大和郡山市発志院町の休耕田にナタネの種を播き、今年4月には国道24号線沿いに菜の花畑が美しく広がりました。昔、松尾芭蕉の弟子である森川許六が「菜の花の 中に城あり 郡山」と詠んだ光景が再現され、その真っ只中で菜の花をモチーフにしたイベント(菜の花フェスタin発志院)が開かれ、ナタネ油であげた菜の花の天ぷら、菜の花カレー等々を楽しみ、地元の農産物が展示即売されました(写真)。
今回の実行委員会では、今年収穫したナタネを絞って、油をとり、瓶詰めにして販売する計画を立てました。来年の菜の花プロジェクトの資金にするためです。ナタネ油は、酸化されにくく、加熱処理にも安心なので、天ぷらや炒め物に向いています。また、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすということです。また、使用済みの油はバイオデイーゼル燃料(BDF)として使用することができます。奈良県でも「菜の花・バイオマスプロジェクト奈良」が中心となって廃油を回収し、BDFに精製し、保育園のバスを走らせるなど活用しています。
6月のオープンキャンパスでは、ナタネ油で揚げたドーナッツを参加者に振る舞いました。本学の農園においても、菜の花を栽培し、種を絞って5リットルほどの油が取れました。食物栄養のスタッフは、大学で育てたバジルやローズマリーなどのハーブを入れたナタネ油のドレッシングの新しい味の工夫をしていて、ぼくもバジルを入れたドレッシングを野菜サラダに使ってみましたが、なかなかのものでした。
発志院町の菜の花
奈良佐保短期大学の「菜の花カレー」

2008年08月25日 月曜日
「夢の丘のオープンキャンパスと夏祭り」
今年の夏は、連日の猛暑でした。夏は暑いのが当たり前で、暑くなければ、農作物の生長にも影響します。しかし、地球温暖化の影響もあるのか、ミナミアオカメムシという稲の害虫が半世紀前までは、宮崎県南部が北限であったのが、段々と北上して最近は岡山県、静岡県、島根県などでも見つかるようになったということです。それでも、このごろはやっと秋らしい気配も出てきましたが、まだまだ厳しい残暑の中で、学生たちが前々から計画し着々と準備してきた「夏祭り」が今日(8月24日)の夕方から開かれました。
今日は、本学のオープンキャンパス(写真1)の日でもあり、昼過ぎから多くの高校生や保護者の方々が来て下さり、幼児教育科、あるいは生活未来学科の生活福祉コース、食物栄養コースの説明を熱心に聞き、実習をともにしてくださいました。来年度から新しく開設する生活未来科の「ビジネス・キャリアーコース」は、ものづくりやインターンシップなど実学を通して、自分の力、社会的な力を育て、企業での活躍につなげようとするコースですが、今回は、前にも紹介した二科展理事の松河哲男氏に簡単なイラストの指導をしていただきました。松河氏は、企業にも勤めているので、現役から見た社会力アップについても話を伺いました。
オープンキャンパスと「夏祭り」がドッキングした1日だったのですが、学生の発想と企画によるイベントや、金魚すくい、ヨーヨー釣りなど夏の風物詩の模擬店やフリーマーケット、大抽選会、盆踊り(写真2)などが運動場で繰り広げられ、オープンキャンパスを終えた高校生たちも参加してくれました。卒業生も、そして地域から自治会長はじめ近隣の方々も大勢参加していただき、早や秋色さす夕暮れが夏祭りでふたたび暑く燃え上がりました。卒業生たちは、オープンキャンパスにも自ら説明役を買って出てくれたり、夏祭りにも続々と集まってきてくれました。奈良佐保の良いところの一つに、卒業生たちが卒業後も折に触れ大学を訪ねてくれ、また親身に大学をサポートしてくれることにあります。今日取材に来られたある進学雑誌の記者が、卒業生も大勢参加するこんなに楽しいオープンキャンパスは他にはないと評価してくれました。皆さん、ほんとうにありがとう。
次回9月13日(土)のオープンキャンパスには、「ビジネス・キャリアーコース」のサポーターとして、吉本の「ロザン」の出演があります。いよいよ進路決定に向けて、高校生の皆さんがぜひ本学を見聞に来てくださることを歓迎いたします。
オープンキャンパス説明会
「夏祭り」での盆踊り
2008年08月19日 火曜日
「介護と介護福祉士」
「週刊ダイヤモンド」9月16日号のトピックスは「老後地獄―年金・医療・介護完全対策」とあり、「プレジデント50+」7月16号別冊のトピックスは「介護、葬式、墓、全課題50」とあった。二つの雑誌がこのようにほとんど同時に、同じ問題についてトピックスを扱うタイミングは、今、いかに年金・医療・介護・死の問題が強い関心事であるかを示している。少子高齢化、団塊世代の退職、多くの問題を含む年金・介護保険の制度等々背後に難しい課題をかかえているためであろう。本学は介護福祉士の養成を行っているが、介護福祉士については、養成機関においても国家試験が課されるようになる一方、若者の介護福祉士離れや、インドネシアやフィリッピンからの介護福祉士、看護師の受入れなど、介護する側においても種々の問題が生じてきている。「週刊ダイヤモンド」の記事では、最適介護フローチャートというものを示している。居宅サービスとしては、訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所生活・療養介護(ショートステイ)などがあり、民間型施設として介護付き有料老人ホーム(介護型、自立型)、住宅型有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅、グループホームがあり、公共型施設として、特別養護老人ホーム、新型特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設があるとしている。複雑な介護システムを整理してあり分かりやすく、これらの利用の選択肢の問題点もあげて、読者の参考に供している。一方、プレジデントの記事は、老人ホーム、介護施設選びの鉄則として、上記の週刊ダイヤモンドの情報に加え、介護難民、地域包括支援センター、認知症、遠距離介護、介護虐待・殺人などの問題を掘り起こしている。
本学は、介護福祉士、保育士、栄養士を養成し、系列の社会福祉法人では、軽費老人ホームと保育園を運営している。これだけの複雑な問題をかかえる介護システムのなかにあって、介護福祉士の役割は重要であり、もっと社会的な身分や地位を確保し重用していかなければ、いまの若者の介護・福祉離れはすすむばかりである。こうした福祉の問題と地球温暖化など環境問題は、今、日本が、そして人類が直面する根本的な問題である。環境と福祉に貢献することを目的とする本学が、これらの複雑で難しいテーマにどのように対応し分けいって行くのか、全学をあげて取り組むべききびしい現実に直面していることを改めて痛感する。
2008年08月13日 水曜日
「御所実業高校の吉田宏先生が本学農園を見学」
8月9日(土)、御所実業高校環境緑地科の吉田宏先生が、奈良県図書情報館で行われたイベントの帰途、本学を訪ねてくださった。吉田先生は、オオミミズの研究もしておられて、奈良県では全国一のオオミミズが発見され、名刺にオオミミズの写真を入れているユニークな先生である。最近、県内で、さらに巨大なオオミミズが発見されたとのことである。
図書情報館でのイベントというのは、来年、奈良県で開催される高校総体の総合開会式会場に飾る草花試験栽培の報告会ということであった。高校総体の総合開会式場の草花装飾は、種を引き継ぎながら開催県の高校生が栽培し装飾するのが恒例となっていて、奈良県では、農業科のある高校や農業課目を導入している高校の生徒達が担当しているのだそうである。10日の奈良新聞には、高校生達がきれいに飾られた大会のシンボルマークの前に並んで写っている写真が載っていた。
吉田先生は、本学が農園やビオトープをつくって、環境教育や園芸福祉、食育などに力を入れようとしていることを知り、見学に来られたのである。
ボランテイアの方々のおかげでサツマイモ、カボチャ、トウモロコシなどが植えられている農園に、吉田先生をご案内した。農園は、少しずつ、草刈もしているが、なかなか追いつかず、写真のように雑草に覆われていている状態で、恥ずかしい限りだった。しかしまた、雑草の中でたくましく育っているサツマイモには、いつも感激させられているのでもある。

雑草の中でたくましく育つサツマイモ
カボチャ
トウモロコシ 

2008年08月07日 木曜日
奈良市和楽園の夏祭り
本学のお隣にある福祉施設「奈良市和楽園」で6日夕刻夏祭りがあり、行ってきました。「奈良市和楽園」は、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、ケアハウス等々を合わせもつ大規模な福祉施設であり、介護福祉士を養成する本学は学生の介護実習をはじめ卒業生の就職でも特別のお世話になっていますが、なかなか訪問する機会がありませんでした。今回、タイミングよく、「和楽園移転十周年記念」の夏祭りに参加させていただきました。
「奈良市和楽園」の入口には、写真のような大川靖則前奈良市長の揮毫になる万葉歌碑が建っているのを見て、本学にも万葉歌碑があり、この歴史ある鹿野園の地(地名の由来については、本学HPの「さほれぽNo.013」をご覧ください)で、ともに社会の福祉に貢献する目的をもつ施設として何かの縁を感じました。祭りは、このところ各地で猛威を奮っている集中豪雨の来そうな空模様によって、開催場所が広場から室内ホールへと急遽変更されたようで、行ったときは広いホールで、炭坑節や河内音頭が鳴り響き盆踊りがたけなわでした。入居者の方々も盆踊りの輪に入ったり見学されたり、ゲームやおみやげを楽しまれたり、明るいホールに明るい表情が輝いていました。
初めての訪問ということで、職員の方にお願いして、施設の見学をさせていただきました。施設は幾棟にも分かれて広く、養護老人ホーム棟でも特別養護老人ホーム棟でも、入居者の方々は職員やボランティアの方々に付き添われて、三々五々、輪投げやお菓子つかみなどを楽しんでおられました。本学の学生もボランテイアとして入居者の方のお世話をしたり、楽しそうに話を交わしているのがとても印象的でした。

和楽園万葉歌碑
2008年08月05日 火曜日
東吉野村の清流にて―「小中高校生向け野外体験実習」―
8月3日(日)、奈良女子大学共生科学研究センター主催の「平成20年度小中高校生向け野外体験実習」が奈良県東吉野村の同センター分室とふるさと村で行われ、約40名の親子連れの参加があり、ぼくも参加しました。これに先立つ7月31日、前共生科学研究センター長古川昭雄氏の訃報が入り、驚きました。古川氏は、熱帯林の研究で知られていますが、東吉野村の山頂にCO2測定タワーを設置したのを始め、奈良女子大学屋上、生駒山頂においてもCO2測定タワーを設置し、奈良県内のCO2量に関する貴重なデータを集積してこられました。今年の3月に奈良女子大学を定年退職後、神奈川県に研究所を建て研究を継続していると聞いていましたのに、残念なことです。ここに心から哀悼の意を表します。さて、野外体験実習は、「川の生き物の暮らしを知ろう」、「不思議な卵を作ろう」、「夏の星空を観よう」、「森作りを体験しよう」の4部から成っていて、ぼくは、「川の生き物の暮らしを知ろう」に参加・担当しました。写真にあるように、東吉野村を流れる四郷川に入って、水生昆虫や魚類など多くの生物を観察し、子供たちは大喜びでした。けれども、近年、道路の整備によって多くの人たちがバーベキューや川遊びに訪れて来るようになり、川の水質がかなり悪化してきています。魚類は、アユ、アマゴ、アブラハヤ、カワムツ、シマドジョウ、アカザ、ムギツク、ヨシノボリ、スナヤツメなどがいました。流れは一見、きれいですが、去年までには、ほとんど見られなかったアオミドロがかなり繁茂するようになり、水質悪化の赤信号を示しています。この川にはダムがなく、上流には、今年「平成の名水百選」に選ばれた「七滝八壷」があり、水質の良い川として知られているだけに、清流を守ることを考えなければなりません。環境の保全と大勢の人々が楽しめるということを両立させるのに、何か良い方策はあるのか、難しいところです。
京阪神の大都市に隣接する紀伊半島は、そのほとんどが森林に覆われ、CO2の吸収と澄んだ空気の供給に貢献しています。また、そこから流れ出る河川は、クリーンな水と栄養分を海へ供給しています。子供達には、自然に接することで、自然を守る心を育んでもらいたいと願っています。
川の中で生物採集する子供達
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