2008年07月15日 火曜日
日本光医学・光生物学会に参加して
松江で開催された「第30回日本光医学・光生物学会」に参加した。この学会は、皮膚科と眼科を中心とした医者と基礎の光生物学の研究をしている研究者が集まった学会である。会場の島根県医師会館は、美術館に隣接し宍道湖に面した素晴らしい場所であった。今回の興味は、「精神医学領域における光と臨床」と題したシンポジウムと三室守教授(京都大学大学院、人間・環境学研究科)による「光生物学の基礎を究める―光合成微生物の光受容過程を例にして―」と題した特別講演であった。シンポジウムでは、1.メラトニンによるヒトの睡眠・生体リズム調節、2.光とリズム障害、3.光とうつ病、4.光と認知症など、魅力的なテーマがつまっていた。睡眠・覚醒リズム障害、うつ病、認知症などの精神的疾患が朝方に高強度の光を照射する治療法やメラトニンという松果体ホルモンを投与する治療法により改善されるという報告である。すでに20年ほど前から報告されていることではあるが、光やホルモンの効果についてさらに明確になってきているという印象を受けた。
三室教授の講演では、進化の話がかなり中心を占めていた。2週間前まで病気で入院していたということで心配されたが、元気に回復されていて安心した。光が生物にとって、三つの大きな効果をもっていること、すなわち、紫外線によるDNA障害の光修復、光合成などによるエネルギー生産、視覚などの情報としての効果の三つに整理してくれた。シアノバクテリアの光合成の研究者なので、光合成の進化について詳しい説明があった。僕自身は、進化の過程において、(1)生命の起源、(2)細胞膜に囲まれた原核細胞(原核生物)の出現、(3)細胞内共生による真核細胞(真核生物)の出現、(4)多細胞生物の出現、(5)神経系の出現、が生物の進化における重要事項だと思っている。特に、(1)の生命の起源については、専門家である池原健二教授が奈良女子大学を定年退職後、本学に来られたので、いろいろと議論ができることを楽しみにしている。
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